テレビデザインの基礎知識 HDTV 07
HD セーフティエリア
(SDサイマル・テロップ制作時の注意点)

HDTVにおいてもセーフティエリアという概念は存在します。各受像機はNTSC時代と同様に、
メーカーや機種によってスキャンエリアが違いますので 制作者はそれを考慮する必要があります。
気をつけなければならないのは「2011年までのSDサイマル放送」という問題があるため、
これまでのように単純に要素を内側に寄せるだけでは不十分ということです 。
完全にすべての放送がHD化されるまでは、HD受像機側のセーフティと
ダウンコンされたSD受像機側のセーフティを同時に考慮する必要があります。
現状(2004年)ではサイドカットを使用したSDサイマル放送が多いため、
HDのサイド部分は切り捨てられてしまう飾りの部分として扱われることが多く、
HD本来の画角を活かせていないのが非常に残念です。

上図ではHDTVのセーフティエリアの概念を示しています。
アクションセーフティ・タイトルセーフティの概念はSDと変わりません。
HDとSDを別編集もしくは別送出できる場合を除いてHDでもSDのセーフティを考慮する必要があります。


現在の AfterEffects(Ver6.5)ではパーセント指定のセーフティエリアを出すことは可能ですが、
SDサイマルに対応したセーフティエリアを出すことはできません。
各自で、PSDファイル等でセーフティラインを用意して対応する必要があります。


<テロップ作成時の注意点>
HDは解像度が高いため、テロップを作成する際に文字サイズを小さくしてしまいがちです。
HDではすこし大きく大胆に見えるくらいで、SDでちょうどよかったりします。
(特にレターボックスではテロップが極端に小さくなります)
フォントの種類に関しても同様で、HDでは細い書体や明朝体を美しく表現することが可能ですが、
SDにダウンコンしてしまうと、つぶれてしまったりフリッカーの原因になったりします。
これらの問題を完全に解消するためには、HDとSDで別々にテロップ入れを行わなければなりません。


業務用マルチフォーマットモニタには、
セーフティを確認できる「AREA MARKER」という機能があります。
通常のマーカーだけでなくSDサイマル用のマーカーもあり、
確認時にこれらを利用することも可能です。

【Victor ビジネス向け製品】
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マルチフォーマットモニタ
Victor DT-V1710C

マルチフォーマット液晶モニタ
SONY LMD-230W