テレビデザインの基礎知識 05
ドロップフレームタイムコード
(ノンドロップ・DF・NDF)

何度も言いますが、NTSCテレビ方式のフレームレートは「29.97fps」です。
それに対してタイムコードは1秒を30フレームで表示をしているために
「1秒で0.03フレーム→1分で1.8フレーム→1時間で108フレーム」の
時間のズレが生じてしまいます。108フレームというのは3.6秒にあたるため、
タイムコードは1時間で3.6秒も実時計に遅れてしまうことになります。
時間にシビアなテレビ業界では、
1時間に3.6秒も実時計とズレていってしまうようなタイムコードでは使いづらいので
タイムコードを実時間と合わせる方法が必要でした。
そこで登場したのが「ドロップフレーム=DF」というタイムコード方式です。

実時間と合わせるためには、単純に1時間経過した時点でタイムコードを
108フレーム分進めればよいのですが、それではあまりに強引すぎるので
1時間の中に108フレームを均等に割り振る方法をとっています。
60分のうち「0・10・20・30・40・50分」をのぞく54回の分の頭に
2フレームずつ割り当ててそのタイムコードをスキップさせることで、
実時計とタイムコードの表示を一致させています。
※逆にドロップさせない方式のことを「ノンドロップフレーム=NDF」といいます。

<ノンドロップフレーム方式>
 タイムコード表示は連続しているが実時計とズレる
 用途:CG制作・CM制作
 表記:「01:01:00:00」…コロンで区切る。

<ドロップフレーム方式>
 タイムコード表示は1分ごとにドロップするが実時計と一致する
 用途:テレビ番組やドラマの制作編集・DVで作業する場合
 表記:「01;01;00;02」とか「01:01:00;02」…セミコロンで区切る
注意:ドロップフレーム方式はタイムコードの時間のズレを
 スキップ補正するだけであり映像内容には影響しません(映像の連続性は保たれる)

一般的にはタイムコードは、あらかじめ「シンク入れ作業」の際に
デッキ側でDFかNDFかを指定してテープに埋め込むことが多いです。

また、テープに書き込まれたタイムコードがノンドロップかドロップかを判断するには、
1分の表示まで早送りし「xx:01:00:00」が存在すればノンドロップ、
「xx:01:00:00」ではなく「xx:01:00:02」にスキップしたら
ドロップフレームということになります。


各コンポジションのタイムラインの表示形式は
「ファイル>プロジェクト設定」で変更可能です。
私の場合、作業はフレーム表示(開始番号1)で
おこなうようにしています。
(尺が長い仕事だとDFとか使うかもしれませんね)

●プロジェクト設定

IMAGICA「映像用語辞典 五反田コレクション」
Panasonic「放送システム用語集」