AfterEffects Laboratory 基本編 23
地図ズームアニメーション
(AE 6.0 & エクスプレッション)

<完成ムービー>
QuickTime 形式
(519 KB)

AE-LAB 23 : Adobe After Effects CS5 (10.0.2.4)
Resolution: 640x480
Third-Party AE Plugins:

- No Use
Third-Party Footages:
- No Use

地図を使ったのアニメーション等では、
大きな画像を準備し、それにズームイン&アウトのアニメーションをつけることはよくあります。

通常のAfterEffectsの作業手順では、地図画像をコンポジションに入れて、
その地図画像の位置やスケールにキーフレーム設定をしていくと思います。
しかしながら、この方法だと以下の問題点が発生します。
 ・コンポサイズの外側にはみ出した部分の画像が見れない。
 ・位置移動とスケールを混在させると、スケールした際のアンカーポイント調整が難しい。
 ・アンカーポイントで位置移動の代わりを行おうとすると、モーションパスが見えない。
ウ〜ン…簡単そうで難しい、みなさんも一度はこんな経験したことがあると思います。

地図の全体を見ながら「実際のカメラを動かすように」キーフレームの設定がしたい!
と思う方のために、今回はエクスプレッションを使った裏ワザを紹介します。
他にも応用が効く方法ですので、是非マスターしてみてはいかがでしょうか。

※Adobe AfterEffects 6.0J(MacOSX)を使用して制作


 地図画像を見ながら「パン&ズーム&回転」の設定を行う。



<枠のアニメーションの設定>

はじめに、Photoshop等を使用して画像を準備します。
今回は 『地図画像 4000×3000 Pixel』
『枠画像 640×480 Pixel』を準備しました。
※1000×750 Pixel の地図サンプル画像を用意しましたので、
 実際に試したい方は4000×3000にリサイズして使用してください。

その『地図画像 4000×3000 Pixel』を
4000×3000サイズのコンポジションに入れます。
(コンポ名:LAB23-1_Map4000)

このコンポに『枠画像 640×480 Pixel』を入れて
レイヤー名を「CameraTrim」に変更します。
あとは枠の大きさを考えながら、位置&スケール&回転を使用して
キーフレームアニメーションを作成してください。
(これなら簡単にできると思います…)

<枠のアニメ>
QuickTime 形式
(317 KB)
<サンプル画像>
1000×750 pixel



<調整レイヤー&エクスプレッション>

STEP1のコンポに調整レイヤーを作成します。
その調整レイヤーに
エフェクト > ディストーション > トランスフォーム
を適用します。

そしてエクスプレッションを作成し、
トランスフォームエフェクトの各項目に以下のスクリプトを入力します。
<アンカーポイント>
 thisComp.layer("CameraTrim").position
<スケール>
 10000/thisComp.layer("CameraTrim").scale[0]
<回転>
 thisComp.layer("CameraTrim").rotation*-1

このエクスプレッションを使用することで、
STEP1で作成したアニメーションに対して自動的に
「逆のかけ算」を行うため、結果として枠が中央に固定されます。
(例:200%拡大していたら→50%縮小して戻す)
(例:30度回転していたら→-30度回転させて戻す)

※調整レイヤーの縦横サイズを最終的なコンポジションサイズと
 同じにすることで、レンダリングを早くすることができます。

<エクスプレッション>
QuickTime 形式
(339 KB)
<タイムライン>
スクリプトを見る



<トリミング>

STEP2のコンポを新規コンポ(640×480)に入れます。
(コンポ名:LAB23-3_MapTrim)
STEP2の枠表示は、必要ない場合はオフにしてください。

これで簡単に地図ズームアニメーションが作成できました。
(STEP1に戻れば、何度でもアニメーションの修正は可能です)

(参考)アニメーションにモーションブラーを設定する場合は
    STEP2の調整レイヤーの「トランスフォーム」エフェクト
    のシャッター角度を180くらいに設定してください。

<トリミング>
QuickTime 形式
(471 KB)

 <応用例> 矢印をのばしながら、ズームアニメーションする


<矢印アニメーションを作成する>

AfterEffects LAB 基本編03 」を応用した例です。
STEP1のコンポで矢印アニメーションを作成します。

矢印アニメを作成している時は、調整レイヤーをオフにします。



<矢印アニメ>
QuickTime 形式
(180 KB)



<完成…その他の応用案>

STEP4のコンポをSTEP3の方法で同様にトリミングすれば完成です。

今回の手法を使うことで、
大きな画像の中を自由にアニメーションできるようになります。
地図だけでなく、他の応用案としては…
・トーナメント表などの紹介アニメーション
・家系図などの紹介アニメーション
・フローチャート(流れ図)などの紹介アニメーション
など、さまざまな分野で応用できると思います。

<完成ムービー>
QuickTime 形式
(519 KB)

 <参考> サードパーティのプラグインを使用する
Stagetools 『 MOVING PICTURE 』
http://www.flashbackj.com/stagetools/index.html

今回の手順を簡単に行うためプラグインソフトです。
プラグインとしてだけでなく、スタンドアローンの
アプリケーションとしても使用できるようです。

<Moving Picture についての詳しい情報は>
フラッシュバック(国内取扱店) http://www.flashbackj.com/
Stagetools(開発メーカー) http://www.stagetools.com/
※Stagetools MOVING PICTURE