AfterEffects Laboratory 基本編 26
矢印をのばす 【続編】
(シェイプレイヤー・パスのトリミング)

<完成ムービー>
QuickTime 形式
(375 KB)

AE-LAB 26 : Adobe After Effects CS5 (10.0.2.4)
Resolution: 640x480
Third-Party AE Plugins:

- No Use
Third-Party Footages:
- No Use

数年前に AfterEffects Ver5.5を使用して、
矢印をアニメーションさせる方法を紹介しました。(LAB 基本編03)
当時、線をのばすには、エフェクトの「線」もしくは「ブラシアニメーション」を使用する方法しか
無かったように記憶しています。
それらのエフェクトではどうしても線のエッジが丸くなってしまい、
角エッジで線をのばしたい場合は、マスクなどを併用しなければならず苦労していました。

After Effects CS3より、「シェイプレイヤー」という機能が追加され、
このあたりの処理がかなりパワーアップされています。
そこで今回、改めて矢印をのばす方法を紹介したいと思います。
After Effects CS4では、さらにシェイプレイヤーの機能強化が図られています。
(今回は、Adobe AfterEffects CS3 Mac版 で作成しています)

参考:LAB03 矢印をのばす (これまでの方法)
http://www.ayatoweb.com/ae_lab/lab03.html
 矢印アニメーションの作成方法(シェイプレイヤーを使用する方法)

<作業画面を見る>
Adobe Illustrator
パスの作成


<Illustratorでパスを作成する>

今回も「a」という文字の外形線に沿って矢印をのばしたいと思います。
はじめにIllustratorでパスを作成します。

もちろん、AfterEffects上でパスを描いても構いませんが、
Illustratorの方が角丸の処理を行いやすいため、
私は通常、Illustrator上でパスを作成しています。





<AfterEffectsへパスのコピー&ペースト>

AfterEffetcsで新規コンポジションを作成します。
(640×480)
さらに新規シェイプレイヤーを作成し、
出来上がったシェイプレイヤーが選択された状態で、
「ペンツール」を使ってコンポ内に1つ点を打ちます。
するとシェイプレイヤー内のコンテンツという項目に
シェイプ1>パス1という項目が現れますので、
その「パス」という項目を選択した状態で、
Illustrator からパスをペーストします。

※シェイプレイヤーのパスが選択されていない状態で
 ペーストを行うと「マスク」としてペーストされてしまいます。

※Illustratorの環境設定>ファイル・クリップボードの設定で
 「AICB形式」をオンにしておく必要があります。

下記のヘルプ項目を熟読することをオススメします。
■Adobe Illustrator ファイルの準備と読み込み
■Illustrator、Photoshop、Fireworks からパスをコピーする
(項目名は CS3 のものです)

<タイムラインウインドウを見る>


<パスのトリミング>
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(356 KB)



<シェイプレイヤー・パスのトリミング>

シェイプレイヤーは Illustratorのように線や塗り、破線の設定が可能です。
また「追加ミニメニュー」にある項目を追加することで、
「角を丸くする」「パンク・膨張」などが設定可能になります。

今回は追加ミニメニューから
「パスのトリミング」という項目を追加します。
パスのトリミングの「終了点」にキーフレームを入れることで、
線がのびるアニメーションを簡単に作成することができます。

<タイムラインウインドウを見る>


<矢印アニメーション>
QuickTime 形式
(375 KB)


<三角形部品を追加して、矢印完成>

新規平面を作成し、三角形のマスクを使用して、
矢印用の三角形部品を作成します。

シェイプレイヤーのパスを、
モーションパスとして、三角形部品の位置プロパティに
コピー&ペーストします。
その際、モーションパスは、60フレームで作成されますので、
Optionキー(Windowsの方はAltキー)を使用して
任意の長さにキーフレームを伸張してください。

次に三角形の回転方向を合わせるために
「レイヤー>トランスフォーム>自動方向」を適用します。
あとは回転させて方向をあわせれば完成です。

下記のヘルプ項目を熟読することをオススメします。
■マスク、シェイプまたはペイントパスからモーションパスを作成する
■レイヤーバーモードでキーフレームのグループを拡張または縮小する
(項目名は CS3 のものです)

<タイムラインウインドウを見る>
 矢印の長さを調整する場合

<矢印の長さ調整>
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(92 KB)
<矢印の長さを調整する場合>

「パスのトリミング」の中の「開始点」という項目に
キーフレームを入れることで、矢印の長さを調節できます。

また「角を丸くする」という項目を追加することで、
パスが角になっている部分でのアニメーションを
滑らかにすることができます。

<タイムラインウインドウを見る>

<矢印+ボケ足>
QuickTime 形式
(111 KB)
<ボケ足のついた矢印にする場合>

矢印を段階的に消していくことは、シェイプレイヤーの機能だけでは
難しいかもしれません。(現在研究中です)

それでも、エフェクトの「エコー」と組み合わせることで、
矢印を段階的に消していくことは可能です。
ここでは「ステンシルアルファ」というレイヤーモードを使用することで、
下にある矢印レイヤーを段階的に消しています。

<タイムラインウインドウを見る>

<矢印の連続>
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(464 KB)
<矢印を連続させる場合>

一度作成した矢印アニメーションを別のコンポジションに入れて
複製し、時間差をつくることで、矢印を連続させられます。

余談ですが、
これらの一連の矢印設定を1つのプラグインで制御できると
良いと思うのですが…、だれかそういったプラグイン作ってください。
アドビさん、よろしくおねがいします。
 複数のラインを制御する場合
<複数ライン制御>
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(618 KB)
<複数のラインを制御する場合>

Illustratorに戻り、パスのオフセットを実行し、
パスを複製してみました。

各ラインをそれぞれシェイプに設定し、
開始点や終了点をキーフレームで制御すれば、
複数のラインをアニメーションさせることができます。

この手法は、いろいろな場面で使えそうな気がします。

<タイムラインウインドウを見る>

<3Dレイヤーに変換>
QuickTime 形式
(910 KB)
<3Dレイヤーに変換>

シェイプレイヤーは3Dレイヤーにすることも可能です。

ただし、平面上にあることには変わりないので、
奥行き方向へ線をのばすことは難しそうです。


続いて、
次のページ LAB27では 矢印にシマ模様を流す方法を紹介しています。
http://www.ayatoweb.com/ae_lab/lab27.html